内外展示図
森の音楽堂が、森の神を祀る「屋代(やしろ)」にみたてた植物的霊性の場となる。
天地の神々はこぞりて此処に集う。
作 品 詳 細
| 堂内 |
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作品 | No.1
題名 | 宙に浮く草束 TURUSU
素材 | 花糠薄, 苧麻, 金糸
植物採集地 | Iga, Japan
制作年 | 2021, 2022
作品寸法 | 300mm x 300mm, etc.
作品点数 | 66
野に生きる草の美しさをそのまに宙に浮く草束のオブジェ作品。
今展示では「花糠薄(はなぬかすすき)」同一種のみ66点が列ぶ。
どれも同じ様に見えても、採集時期の僅かな違いによる色味や形、大きさの異なる表情を見つけると、どれ一つも同じものはないことに気付く。
TURUSUによる十字を描く空間「TURUSU CROSS」。
”十字”は天と地を表し、古くは太陽を意味するシンボルでもある。
「十字の通路」は神が異界からやってくる通路であり、「異界へと繋がる道」を可視化したものでもある。
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作品 | No.2
題名 | 草綴れ TAPISSERIE
素材 | 糸犬の髭, メリケン苅萱, 石
植物採集地 | Matsusaka, Japan
制作年 | 2022
作品寸法 | 2500mm x 1200mm
作品点数 | 1
「犬の髭」という植物は犬の髭のように細い茎からの名。その中でもさらに糸のように細い種類が「糸犬の髭」。先端には白い小さな花が咲かせている。
その細い茎を編み込み、二千個の白い穂の苅萱が宙を舞う作品。
長さ5mにもなる草綴れは、天界から放たれた糸のように天地を繋ぐ。
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作品 | No.3
題名 | 日の神 AWA
素材 | 茱萸(グミ), 茅萱, 障子紙, 麻, 墨, 朱
植物採集地 | Matsusaka, Japan
制作年 | 2022
作品寸法 | 700mm x 700mm
作品点数 | 1
日輪を象った” AWA ”。
伊勢の神島でおこなわれていた奇祭「ゲーター祭」。
大晦日の真夜中に新年の日の出まで続く太陽信仰の祭りの神体は、グミの木の枝で作られた真っ白な輪"アワ"。
白紙を巻き、祓い清めの力が強い茅萱(チガヤ)を綯って作る綱で縛る。
今展示では、十字空間の中央に日の神”AWA”を飾る。
十字路を歩く度に”AWA”の下を何度も通る。
太陽は常に中心で輝き、草木万有の生命にエネルギーをくれる。
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作品 | No.4
題名 | 土の神 願ひの枝 DEUX ARBRES
素材 | 金木犀(キンモクセイ), 茅萱, 他数種の木, 障子紙, 墨, 朱
植物採集地 | Matsusaka, Japan
制作年 | 2022
作品寸法 | 1000mm x 1500mm
作品点数 | 2
”願ひの枝”は、土の神(土地の神、森の神)に捧げる2本対の作品。
森から切り取った枝の先には、神への祈りの言葉「
森祇乞禱
(もりのかみをこいねがう)」と願ひの紙に記し、印を封じ、枝に結びつける。土地の神を祀る形が神性な力を呼び起こす。
”願ひの枝”に祈る。
声に出す祈りの言葉は「言霊(ことだま)」となりその願いを叶えると信じられている。
「 天地(あめつち)の 神祇(かみ)を乞(こ)ひ禱(の)み 」
万葉集 巻第三 四四三の一節
願ひの紙
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作品 | No.5
題名 | 雨の神 清めのヌサ COPEAU
素材 | 楸(ヒサギ), 檜(ヒノキ), 茅萱, 障子紙
植物採集地 | Matsusaka and Kouga, Japan
制作年 | 2022
作品寸法 | 2000mm x 600mm
作品点数 | 2
” 雨の神 ”が現すニ本の幣(ヌサ)は男女の対の二神からなる作品。
自然木を削り出したアイヌがつかう祭具「イナウ」を模した枝に、薄く削り取った檜と紙垂でつくる"ヌサ"。
檜は「日の木、霊の木」と言われるように力を持つ木、ヌサが祓い清める力が雨風となってが邪気を吹き飛ばす。
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作品 | No.6
題名 | 御白石の十字路 CARREFOUR
素材 | 石
採集地 | Ise, Japan
制作年 | 2022
作品寸法 | 6200mm x 4200mm
作品点数 | 1
伊勢神宮の御正殿の神域に敷かれる石英系の「御白石」。
二十年に一度の「式年遷宮」では御白石を新しく敷き替えられる神事「お白石持ち」がある。
伊勢の清流”宮川”の御白石でつくる十字路は、その間を通るものの身を清めてくれる。
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作品 | No.7
題名 | 二見伊勢詣り ISE MOUDE
素材 | 石, 紙
採集地 | Ise, Japan
制作年 | 2022, 2021
作品寸法 | 御白石 650mm x 650mm
作品点数 | 1
伊勢のある方角の真東を向き「二見」を詣る。
日出づる地である二見の「夫婦岩」から昇る朝陽のご来光を拝む。
伊勢神宮の神域に敷かれる”御白石”に乗ってご参拝ください。
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御朱印
「あめつちこぞりて」
特別参拝記念の御朱印を拝受いただけます。
| 堂外 |
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正面 | 萱の注連縄(カヤノシメナワ)
素材 | 茅萱, 紙
植物採集地 | Matsusaka, Japan
制作年 | 2022
寸法 | 2500mm x 700mm
茅萱は日本の野に古来から自生する野草。
その強い生命力から祓い清めの力を持つ植物として、古くから神事や御守りに使われてきた。
晩秋に赤く色付いた茅萱の葉で作る注連縄で、お堂に結界を張り邪気を祓う。
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入口 | 祝木の勧請縄(イワイギノカンジョウナワ)
素材 | 茅萱, 榊, 紙, 朱
植物採集地 | Matsusaka, Japan
制作年 | 2022
寸法 | 1100mm x 600mm
勧請縄=神の来臨を願い招き入れる縄、外からの邪気を祓う縄。
勧請縄に付ける「榊」は、神域と人間の領域の境を分ける木。
頭を下げて「祝木の勧請縄」をくぐるお堂内は神が集う神域となる。
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側面 | 草の結界と十字紙垂
素材 | 茅萱, 紙
植物採集地 | Matsusaka, Japan
制作年 | 2022
寸法 | 12000mm x 300mm
茅萱でつくる縄でお堂側面にも結界を張る。
十字形の紙垂を567mm間隔で飾り、”疫病の邪”を祓う。
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軒奥 | 関守石
素材 | 石, 茅萱
採集地 | Ise, Mie, Japan
制作年 | 2022
寸法 | 250mm x 220mm
関守石=縄で十文字に結わえて据える石は「これより中に入ることは遠慮されたし」の意。
伊勢の御白石に茅萱の縄でつくる関守石。
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会 場 音 楽
第一楽章
天の世界
第二楽章
生き物の世界
第三楽章
海・水・地の世界
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展示企画・演出・展示設営 / 堀之内信哉 (KiKusa)
作品制作・展示設営 / 堀之内彩 (KiKusa)
会場音楽・サウンドデザイン / 森ゆに & 田辺玄
プロデュース・展示設営 / 前中久和 (rizm)
Special Thanks / 小倉広太郎、吉田次朗
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今展示での作品の販売はございませんが(御朱印を除く)、もしご購入希望の作品がございましたら、KiKusaまでお問い合わせください。
展示後にお求めいただく事も可能になります。
KiKusa
MAIL | kikusa@mactv.ne.jp
TEL | 0598-67-0524
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伊勢の"祈り"
古代人が尊び使っていた力に"祈り"がある。
縄文から続く古の人々は風土の厳しさや豊かさに寄り添い自然と共に生きてきた。
その古代人が「信じたもの」を理解できる力を現代に生きる私たちは持ちあわせてはいない。
世界を「自然の界」として凝視め「宇宙の理」と直感的に繋がる人々は果たして無知な未開人だったのだろか。
伊勢では現代まで"祈り"の力を大切に使ってきた。
"祈り"は常に祭り事の中心にあり、神宮そのものが"祈り"と言える。
"祈り"を美しく可視化した「伊勢」の世界は、二千年の深さで立ち現れたアート空間となり、私たちの奥に眠る"祈り"の感覚を起こさせる。
「あめつちこぞりて」の実験的な植物装置が、眠りついた感性を揺さぶる振動となり、今を生きる私たちがつくる「次への予感」が生まれるのではないかと秘かに思っている。
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K i K u s a / 木 草
三重県松阪市の田舎にて自然に触れ合いながら子三人と三世代同居して暮らす。
植物アート作品制作、植物伝承作品制作、
フィルムフォトグラフィに重点を置いた写真撮影、
展示企画、DMデザイン、WEBデザイン、展示空間演出などを手掛ける。
野の草花や山の木葉から生み出す作品の個展を全国で開催。
KiKusaの作品の販売、受注会をWeb siteにて定期的に開催。
Artist
堀之内 信哉 Shinya Horinouchi
Assistant Artist
堀之内 彩 Aya Horinouchi
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展示の概要はこちらをご覧ください。
↓ ↓
KiKusa あめつちこぞりて 公式ページ