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p h o t o . 1 , 2 , 3 . |熊 野 ・ 那 智 飛 瀧 、 4 . | 熊 野 灘
photo. Yutaka Matsubara
K i K u s a
A r t d e F o l k l o r e
" M i n a z u k i - h a r a e "
木 草
水 無 月 祓 え 二 〇 二 四
祓 え と 願 ひ の 草 花 飾 り
六月はちょうど年の半分。
その節目に、古来から行われてきた民俗的慣習がある。
邪気や疫病を祓い、自然からの力を頂く。
先人たちは自然に親しみと畏敬の念を持って暮らし、
野や山の身の回りの植物で願いや祈りを形にしてきた。
草花に名を付け、効力を知り、暮らしに取り入れる。
あるいは、歴史や神話から伝わるもの、神様が宿るもの、
草花一本にある何か事を見つめてきた。
古くには「言霊(ことだま)」を信じる風習があった。
言葉には命があり、その言葉を現実にする霊的な力があるのだという。
だからその言葉から連想される音や意味を大事にしてきた。
先人のその姿勢は、今の私たちにも自然に対する
向き合い方を教えてくれる。
そしてそれは植物のアートでもある。
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”水無月祓え”とは
「大祓え」「夏越の祓(なごしのはらえ)」とも呼ばれ、
六月末に半年の穢れを祓い、無病息災を祈願する神事。
「祓え」とは「元の状態に戻す」「ゼロになる」という意味がある。
人は日々にさまざまな行いをし、想いを溜め込んでいる。
それを省み、自分の位置を戻す。
罪穢や禍いを払い清め、幸福に過ごせるように植物から力をいただく。
「水無月の夏越しの祓する人は 千歳の命を延ぶというなり」
拾遺和歌集 よみ人知らず
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